先日、副都心線渋谷駅の地下構内でこんな張り紙を見かけました。地上出口へと続く階段の上り口の、横の壁に張ってありました。

「この階段は地上階まで約 100段あります。」とある張り紙
階段のすぐ横には、エレベータがあります。

なるほど。上をのぞいてみるとこの階段には踊り場がいくつもあり、見通しが利きません。きっとこれは、「上りはじめたはいいが思いのほか地上まで遠く、エレベータを使えばよかったと後悔する」という事態を防ぐために、親切な駅員さんが張ってくださった張り紙なのでしょう。なかなか気が利いていると思います。

しかし、この張り紙を見た私は、「約100段」がどのくらい過酷な段数なのか、具体的にイメージすることができませんでした。結局、「そう辛いものでもないだろう」と甘く見て上ってしまい、やはり途中で後悔しました。この過酷さを事前に想像できていれば、迷いなくエレベータを使ったことでしょう…。

例えば、「ビルの5階分くらい」というような表現を追加してみるのはいかがでしょう。あまり正確な表現ではありませんが、こちらの方が自宅や職場の階段を上るときのいつもの感覚と比較しやすく、「100段」と言われるよりもずっと実感しやすいと思います。

理解力に優れた受け手ばかりとは限りません。正確な情報伝達も大事ですが、場合によっては、ある程度おおまかでも想像しやすい情報の方が、かえって役に立つものです。その場に適したよりよい情報とは何か、改めて考えさせられるきっかけとなった張り紙でした。