写真は先日発売になったばかりのSONYの電子書籍端末、”Reader”です。新しいモノ好きなので速攻で購入しました。まだオンライン書店には欲しいタイトルがないので、専ら“自炊”派です。

 さて今日話題にしたいのはこの”Reader”付属の転送ツール「eBook Transfer for Reader」です。電子書籍ファイルをPCから”Reader”にコピーするのに使用します。なぜか写真右側のタイトルが並ぶゾーンにドラッグ&ドロップできず、左のサイドバーの狭いエリアしか受け付けてくれない、という細かい不満もあったりするのですが、やはり最大の不満は写真でも出ている「ファイルの転送が完了しました。」という確認ダイアログです。

(写真クリックで拡大)

さて、これの何が問題なんでしょう?正常に処理が完了したことをユーザに知らせる、教科書通りのフィードバックを提供していますね。

  • ヒント1:一般的な電子書籍ファイルは数百KB程度。転送は数秒で完了する。
  • ヒント2:転送にはUSBを用いており、まず滅多なことで失敗など起きない。
  • ヒント3:転送中には別途プログレスバー(棒グラフ)付きダイアログが出ている。

 まぁ、既にタイトルでネタバレしてる感もありますが、そうなんです、これ毎回「OK」ボタンをクリックして消すのが手間でイラっとさせられるんです(モーダルダイアログといって、それが出ている限り他の操作は一切受け付けないタイプの表示です)。続けて次の書籍を転送するにも、アプリケーションを終了して”Reader”を取り外すにしても、必ずこのひと手間が要求されるのです。これ本当に必要でしょうか?

 皆さんにも馴染みが深いと思われるWindowsのExplorerのファイルコピーを思い出してみて下さい。これと同様にコピー中には進捗を表示するダイアログが出ますが、終わった時には(エラーが起きていない限り)黙って消えてくれますよね。そこで毎回「完了しました」って出て「OK」を押さなければならないと想像してみて下さい。「正常にコピーが完了した」という事実は、99%の場面で当たり前の情報だと思います。ユーザに確認操作を要求する程の重大事ではなく、エラーが起きた時にだけ教えてくれればいいんじゃないでしょうか?

 処理が終わり「次の作業に移ってもOKだよ」ということを知らせてくれることに意義がある、という視点もあります。ですがこれもやはりユーザの操作を要求する必要はないでしょう。例えばMacのFinderで大量のファイルをコピーをした場合、完了して進捗ダイアログが消えると同時に短い音を鳴らしてくれます。Windowsよりちょっぴり親切ですね。そしてこれで充分ではないでしょうか?

 プログラミング的にはモーダルダイアログによるメッセージはたった1行で済むので、プログラマーからすると使いやすいフィードバック手段の1つではありますが、その場面で本当に必要か、逆にユーザの次の操作を妨げていないかをよく検討したいものです。