普段タッチパネル式のカーナビを使用されている方には、馴染みがないかもしれませんが、ドイツの自動車メーカーMercedes-BenzやAudiなどは、「タッチパネル式」ではなく、センターコンソールに設置した「遠隔操作デバイス式」を採用しています。ディスプレイが遠方、上方に設置しているため、運転中に操作する際は、最小限の視線移動ですむ遠隔操作の方が優れている…というのが採用された理由のようです。
ですがこの遠隔操作デバイス式、2003年頃に登場した当初から文字入力が煩わしいなどの理由により、各メーカーとも使い勝手に関する評判が低いものでした。その後ショートカットボタンが追加されたり、手書き入力が出来たりと改良が重ねられましたが、いまだに遠隔操作デバイス式を快く思わないユーザーも多いそうです。
そんな中、今年7月にフルモデルチェンジしたMercedes-BenzのEクラスに、タッチ式のステアリング(ハンドル)スイッチが装備されたとのニュースが入り、近くに行く用事もあったので、Mercedes-Benzのショールームへ行ってきました。
それがこちら。ステアリングスイッチの左右両方に、液晶画面のように光っている所がタッチ式スイッチです。
左側のステアリングスイッチが中央のディスプレイ用、右側がメーターディスプレイ用。写真ではわかりづらいですが、光っている部分がスマホの画面操作のように指で操作できるようになっており、中央に決定ボタンがついています。という訳でいざ操作。
結論から言うと、これがとても操作しやすい!従来もステアリングの上下スイッチで操作できましたが、わざわざ一つずつカチカチと操作するのでなく、指でなぞるだけで選択範囲を動かせるため、操作する手間がだいぶ楽になった印象です。
そして注目すべきは、タッチコントロールで操作した際にディスプレイに現れるメニューです。
こういったメニューの形、普段どこかで見覚えありませんか?そう、スマホのフリック入力の際に現れる十字メニューです。
十字方向にそれぞれメニューが配置されているため、どの方向に指を動かせばいいか、分かりやすいですね。ちなみにショールームの方に聞いても、やはりフリック入力のUIを意識したデザインとのことでした。
タッチパネル式で良いのでは、と思うかもしれませんが、ハンドルから手を離さずに操作できるのは安全面を考えても、優れているといえるでしょう。むしろ、タッチパネル式のカーナビにも採用しても良いくらいです。
ただでさえ運転中は様々な注意が必要ですし、このような使いやすいUIが今後も車載機器に増えてくることを期待したいですね。