カテゴリー: Web、GUI (page 1 of 24)

826. Hey Siri/OK Google/Alexa!明日の天気の“明日”っていつさ?


昨年末に各社から発売され、今年は普及年だったと思われるスマートスピーカー、我が家でもリビング、仕事部屋、寝室、風呂、車とほとんどの場所で待機しており、買い物リスト登録、家電操作などで大変重宝しています。
その中でいつも微妙に困っているのは天気予報です。便利は便利ですが、「明日の天気は?」と聞いた時のレスポンスに日付や曜日が含まれていないので、例えば深夜に言う「明日」とか「今日」がいつを指しているのか判断に困ります。月曜日深夜1時(厳密には火曜午前1時)に寝る前に明日の天気が気になったとして、「明日の天気は?」と聞いたとしましょう。音声アシスタントは「明日の天気は晴れ、気温は18度です」などと返してきます。さて、それは寝て起きた火曜日のことでしょうか?それとも正確に暦に基づいた火曜日の翌日、水曜日のことでしょうか?人間同士の会話であれば0時を過ぎていても寝る前に言う「明日」なら火曜日のことだろうと推測できます。世界に名だたるIT企業の製品ですからそれくらいは考慮してくれる気もします。でもじゃぁ2時とか4時だったらどうなんでしょう?彼/彼女らは24時間寝ませんし、ユーザがいつ寝たかも把握はできないので、どこかで機械的に区切っているのでしょうが、それが何時なのかはユーザにはわかりません。
「明日、火曜日の天気は~」など、ひと言入れてあればこんなに悩まなくてよさそうですが、残念ながらSiri、Googleアシスタント、Alexaの三大巨頭はどれもフィードバック文に日付または曜日を判断できる表現は含まれていませんでした。

各製品で「明日の天気は?」と聞いた時の反応例

製品音声返答例
iOS12のSiri(Apple)明日の天気はあまりよくなさそうです...最低気温は1℃でしょう
Google Home(Google)明日の横浜は最高気温11℃、最低気温4℃で晴れるでしょう
Echo Dot(Amazon)明日はおおむね晴れで、予想最高気温は9℃、予想最低気温は3℃です。
(対話プログラムは随時更新されています。本データは2018年12月末時点の例となります。)

ちなみにAIスピーカーではなく各スマホアプリ上で聞いた場合には画面表示に日付が出る場合があります。この挙動を検証していけば「明日」がいつを指しているのかわかるのかも知れませんが、まだやりきれていません(音声のインタラクションと画面付きで同じアルゴリズムであると仮定して、ですが)。できればそんな検証作業をしなくても、すんなりいつの天気について言っているのか納得できる応答文の進化してほしいものです。

825. PayPayにみるQRコード決済考


12月、PayPayというQRコード決済サービスがキャンペーンで話題になりました。加盟店であれば20%還元、一定の確率で全額還元も当たるとあって都心の家電店などで行列ができるほどの賑わいだったようです(現在は終了しています)。
私は元々非接触ICカード式のキャッシュレス決済を積極的に使ってきたので、逆にQR決済は登録しつつもあまり使用してきませんでした。手間としては明らかに非接触ICカード式の方が楽だからです。今回20%還元に釣られて何度か買い物をしてみたのでその感想など。

■QRコード決済とは?

まずQRコード決済とはなにか簡単に。QRコードはご存じ2次元バーコードの1つです。スマホなどのカメラで読み取ってなにがしかの情報を取り出すことができます。QRコード決済ではこれを支払主あるいは支払先を識別するのに使います。どちらのQRコードをどちらのカメラで読み取るかについてはプラットフォーム毎に違います。後述のPayPayのように両方あるものも。例えば、
1) お店が提示している支払先を示すQRコードをユーザが自分のスマホアプリ内のカメラ画面で読み取り、言われた金額を打ち込んで決済する
2) 自分(支払者)の識別用コードをスマホアプリ上に表示させて店員に提示し、お店の機械でそれを読み取って決済(たいていは金額指定はレジ側で行うようです)
などの手順になります。引き落としはクレジットカードを紐付けて都度カードに課金することもできますし、プレイペイドカード的に事前に一定額チャージしておいてそこから引き落とすこともできます。
スマホがNFC(おサイフケータイやApplePay)に対応していない機種であっても利用できる点がユーザ側のメリット。同様にお店もNFCリーダー不要で設備投資が少なくて済むのがメリットです。特に1)の方式は印刷したQRコードを提示するだけなのでお店側はハードウエアも通信回線も不要ということになります。先行する中国などでは屋台やお寺のお賽銭箱みたいなところでも使われているそうです。

■PayPay使用感

私はキャンペーン初日にビックカメラに突撃しました。ビックカメラはキャンペーンと同時に加盟店となったので店員さん達としても初日で不慣れな部分もありましたし、サーバーがパンクしたりといったトラブルもありましたが、それを差し引いてもやはり「ステップが多くて手間だな」と感じました。ビックカメラでは上述の1)の方式なので、レジのあちこちに張り出してあるQRコードをスマホアプリで読み取ります。それ自体は割とすんなり読み取ります。次にレジに表示され口頭でも伝えられる支払金額を自分で入力します。これがいままでにない手間です。1円単位まで注意深く打ち込み念のため店員さんにも見せて確認してもらいます。大きな金額だと緊張しますし、逆にコンビニなどで細々した買い物の時にも煩わしく感じます。決済が終わると確認画面で決済番号というのが表示されるので、それを店員に見せて確認してもらいます。店員さんはその下4桁をレジに出るそれと照合しているようでした。これはビックカメラ特有、または1)手順の時だけのフローかも知れませんが、これもまたスマホを見せたりが面倒です。その表示がまた小さい!(写真)。明らかに見せることを想定したレイアウトではありません。だからといってスマホを手渡したりするのも落としたりしそうでちょっと嫌ですね。さらにさらに、3万円以上の買い物は身分証の提示を求められる場合があります(同じビックカメラでも求められる場合、求められない場合両方ありました)。

支払完了画面

はっきりいって「面倒くさい」のひと言です。店頭で対面取引をしているのに決済だけは銀行振り込みをしているような回りくどさがあります。20%還元という特典がなければわざわざ使う理由が見つかりません。0.5~1%程度の差なら還元率が低くてもクレカやIC決済でいいや、って感じです。またもしシニアである両親に聞かれても「やめておいた方がいい」と答えるでしょう。1)と2)で二通りの操作手順を使い分けられる気がしません。そもそも電子マネー全体でプラットフォームが乱立しすぎていて、店ごとになにが利用可能か確かめたり、店員にどのプラットフォームで支払いたいか伝える名前を覚えさせるのも一苦労でしょう。
現状では、あくまで非接触ICカードに対応していないスマホを使っている人、クレジットカードをもてない未成年、そして海外からの旅行者などでないと、支払う側として使用するメリットは感じられません。店舗側としては初期投資がほとんどかからず三年間は手数料も無償のため、今まで現金決済のみだった小規模店などが加盟するケースは一時的には増えるかも知れませんが、三年後NFC非対応スマホはさらに減っているでしょうし、店舗側にも手数料無料のメリットが消えた時、果たして生き残るだけの魅力が残っているのでしょうか。

822. 劇的にシンプルに ~日本郵便再配達受付フォーム


6月の記事で入力項目が無駄に多すぎるんじゃないかと指摘した日本郵便の再配達受付フォームが先日みたら大幅に改善されていました。

こちらがその新しいフォームの1ページ目です。

新しくなった再配達依頼フォーム

以前のバージョンではここで

  1. 郵便番号
  2. 追跡番号またはお知らせ番号(2つの欄から選んで記入)
  3. 不在票お届け日
  4. 郵便物の種類
  5. 再配達先
  6. ゆうびんIDを使うかどうかで送信ボタンを選択

という情報を入力していたのですが、2.と6.だけになりました。しかも2.では手元の不在票に載っているのが追跡番号かお知らせ番号か区別して欄を使い分ける必要もなくなりました。

桁数の少ない(=内包している情報が少ない)お知らせ番号の場合は、ボタンを押して画面遷移した後で結局追加入力があるわけですが、よりケース毎に特化して無駄な欄を目にすることがなくなったということですね。

またこれも以前の記事で指摘していた点ですが、「郵便物などの種類」選択欄ではついに、種別コードがラベルに併記されるようになりました。不在票にはこの番号が書いてあるわけなので、同じ番号を探して選択するだけでよくなったわけです。ステップ数は同じですがユーザ側の認知的な負荷は激減ですね。

郵便物種別選択欄

別に当日記記事を読んで修正してくださったわけではないと思いますが(笑)、私個人の不満は大幅に改善されていて嬉しい出来事でした。みなさんにとっての使い勝手はいかがでしょう?

821. 更に大画面になったiPhoneに欠かせない簡易アクセス


iPhoneは毎年買い換えるマンの古田です。

今年はフラッグシップシリーズであるXの大画面モデルXS Maxが登場したので、1年ぶりにラージサイズモデルに返り咲きました。本モデルではディスプレイのベゼル(外枠)が狭くてなり、外径寸法はPlusシリーズとほぼ同じながら画面サイズが上下に伸びる形となっています。

iPhone 7 PlusとXS Maxのサイズ比較

ディスプレイとして表示面積が増えることは動画やゲームなどの映像表現やブラウザなどでの情報効率が向上するメリットがある一方、タッチデバイスとしては困った事も出てきます。片手持ちして親指で操作するような場合に、指が届きづらい場所が増える、という点です。

Appleでは当然それを見越してPlusシリーズの頃からアクセシビリティ機能のひとつとして簡易アクセスというものを盛り込んであります。Xシリーズでは、画面の下部1cmくらいの範囲で短く下にフリックすると、画面全体が下にスライドして持ち替えなくても画面上部のボタンなどに指が届きやすくなります。

ホームボタンがあったPlusシリーズではホームボタンに2回タッチ(押し込まない)で起動できました。正直Plusのサイズだとまだなんとかなっていたので、むしろ意図しない場面でこれが発動してイラっとすることの方が多かった気がします。しかし、画面の上下幅がさらに広がったXS Maxではもはやこれを活用しないとどうにもなりません。起動方法としても誤爆は起きにくくなった気がします。これで全てが解決という感じではありませんが、活用してきたいと思います。Apple伝統の知らなければ気付きづらい機能なのでご紹介。

ちなみに同様に大画面化、狭額縁化が進むAndroidの世界ではどうなっているかというと、知る限りではGoogle標準の機能はなかったように思います。ただしメーカー独自に対応している例がいくつかあります。以下の記事にSAMSUNGやHUAWEIの事例が紹介されています。

大画面スマホで便利な片手操作モード比較。[いろんなこと。]

以前使っていたSHARPの端末にも同じような機能が搭載されていました。Android勢はスライドではなくサイズ圧縮で寄せるアプローチが多いようですね。左右も縮んで近づいてくれる点と、隠れるボタンがないので縮小したまま全ての操作が継続できる点ではAndroid勢の方が優れているような気もします。

819. 削除確認の初期選択肢が選べるデジカメ〜SONY DSC-RX100M6


先日デジカメを買い換えました。SONYのCybershot RX100シリーズのM2(マーク2)からM6へと同系統4世代ぶりの買い換えとなります。おおむね操作方法も踏襲されていてスムーズに乗り換えできました。

そしてとても助かっているのが、削除ボタン(ハードキー)を押した時の確認画面で「削除」と「キャンセル」どちらを最初に選択しておくか設定で選べるようになっていた点です。M2では「キャンセル」に固定でした。なので、

  1. 削除ボタン
  2. カーソル↑
  3. 決定

と常に3ステップ必要だったのが、デフォルトを「削除」にしておけば、1.と3.だけで済みます。些細な違いのようですが、連続して何枚も失敗写真を削除/整理する時には地味に効いてきます。M6はAFや保存も高速化されてバシャバシャ撮れるので、ついたくさん撮影してしまい、その場でざっと取捨選択できるのは非常に有り難いのです。

設定画面で初期状態を選べる

削除ボタンを押した状態

「え?こんなの選べたっけ?」と慌ててM2の方も調べてみましたが該当項目はなかったので、M3からM6のどこかの時点で追加された機能のようです。この手の削除操作における確認フローは常に手間と誤操作回避のトレードオフが悩ましい問題ですが、いっそユーザに判断を委ねてくれるというオープンさはとても良い配慮だと思います。

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