カテゴリー: デジタルガジェット (page 1 of 18)

826. Hey Siri/OK Google/Alexa!明日の天気の“明日”っていつさ?


昨年末に各社から発売され、今年は普及年だったと思われるスマートスピーカー、我が家でもリビング、仕事部屋、寝室、風呂、車とほとんどの場所で待機しており、買い物リスト登録、家電操作などで大変重宝しています。
その中でいつも微妙に困っているのは天気予報です。便利は便利ですが、「明日の天気は?」と聞いた時のレスポンスに日付や曜日が含まれていないので、例えば深夜に言う「明日」とか「今日」がいつを指しているのか判断に困ります。月曜日深夜1時(厳密には火曜午前1時)に寝る前に明日の天気が気になったとして、「明日の天気は?」と聞いたとしましょう。音声アシスタントは「明日の天気は晴れ、気温は18度です」などと返してきます。さて、それは寝て起きた火曜日のことでしょうか?それとも正確に暦に基づいた火曜日の翌日、水曜日のことでしょうか?人間同士の会話であれば0時を過ぎていても寝る前に言う「明日」なら火曜日のことだろうと推測できます。世界に名だたるIT企業の製品ですからそれくらいは考慮してくれる気もします。でもじゃぁ2時とか4時だったらどうなんでしょう?彼/彼女らは24時間寝ませんし、ユーザがいつ寝たかも把握はできないので、どこかで機械的に区切っているのでしょうが、それが何時なのかはユーザにはわかりません。
「明日、火曜日の天気は~」など、ひと言入れてあればこんなに悩まなくてよさそうですが、残念ながらSiri、Googleアシスタント、Alexaの三大巨頭はどれもフィードバック文に日付または曜日を判断できる表現は含まれていませんでした。

各製品で「明日の天気は?」と聞いた時の反応例

製品音声返答例
iOS12のSiri(Apple)明日の天気はあまりよくなさそうです...最低気温は1℃でしょう
Google Home(Google)明日の横浜は最高気温11℃、最低気温4℃で晴れるでしょう
Echo Dot(Amazon)明日はおおむね晴れで、予想最高気温は9℃、予想最低気温は3℃です。
(対話プログラムは随時更新されています。本データは2018年12月末時点の例となります。)

ちなみにAIスピーカーではなく各スマホアプリ上で聞いた場合には画面表示に日付が出る場合があります。この挙動を検証していけば「明日」がいつを指しているのかわかるのかも知れませんが、まだやりきれていません(音声のインタラクションと画面付きで同じアルゴリズムであると仮定して、ですが)。できればそんな検証作業をしなくても、すんなりいつの天気について言っているのか納得できる応答文の進化してほしいものです。

825. PayPayにみるQRコード決済考


12月、PayPayというQRコード決済サービスがキャンペーンで話題になりました。加盟店であれば20%還元、一定の確率で全額還元も当たるとあって都心の家電店などで行列ができるほどの賑わいだったようです(現在は終了しています)。
私は元々非接触ICカード式のキャッシュレス決済を積極的に使ってきたので、逆にQR決済は登録しつつもあまり使用してきませんでした。手間としては明らかに非接触ICカード式の方が楽だからです。今回20%還元に釣られて何度か買い物をしてみたのでその感想など。

■QRコード決済とは?

まずQRコード決済とはなにか簡単に。QRコードはご存じ2次元バーコードの1つです。スマホなどのカメラで読み取ってなにがしかの情報を取り出すことができます。QRコード決済ではこれを支払主あるいは支払先を識別するのに使います。どちらのQRコードをどちらのカメラで読み取るかについてはプラットフォーム毎に違います。後述のPayPayのように両方あるものも。例えば、
1) お店が提示している支払先を示すQRコードをユーザが自分のスマホアプリ内のカメラ画面で読み取り、言われた金額を打ち込んで決済する
2) 自分(支払者)の識別用コードをスマホアプリ上に表示させて店員に提示し、お店の機械でそれを読み取って決済(たいていは金額指定はレジ側で行うようです)
などの手順になります。引き落としはクレジットカードを紐付けて都度カードに課金することもできますし、プレイペイドカード的に事前に一定額チャージしておいてそこから引き落とすこともできます。
スマホがNFC(おサイフケータイやApplePay)に対応していない機種であっても利用できる点がユーザ側のメリット。同様にお店もNFCリーダー不要で設備投資が少なくて済むのがメリットです。特に1)の方式は印刷したQRコードを提示するだけなのでお店側はハードウエアも通信回線も不要ということになります。先行する中国などでは屋台やお寺のお賽銭箱みたいなところでも使われているそうです。

■PayPay使用感

私はキャンペーン初日にビックカメラに突撃しました。ビックカメラはキャンペーンと同時に加盟店となったので店員さん達としても初日で不慣れな部分もありましたし、サーバーがパンクしたりといったトラブルもありましたが、それを差し引いてもやはり「ステップが多くて手間だな」と感じました。ビックカメラでは上述の1)の方式なので、レジのあちこちに張り出してあるQRコードをスマホアプリで読み取ります。それ自体は割とすんなり読み取ります。次にレジに表示され口頭でも伝えられる支払金額を自分で入力します。これがいままでにない手間です。1円単位まで注意深く打ち込み念のため店員さんにも見せて確認してもらいます。大きな金額だと緊張しますし、逆にコンビニなどで細々した買い物の時にも煩わしく感じます。決済が終わると確認画面で決済番号というのが表示されるので、それを店員に見せて確認してもらいます。店員さんはその下4桁をレジに出るそれと照合しているようでした。これはビックカメラ特有、または1)手順の時だけのフローかも知れませんが、これもまたスマホを見せたりが面倒です。その表示がまた小さい!(写真)。明らかに見せることを想定したレイアウトではありません。だからといってスマホを手渡したりするのも落としたりしそうでちょっと嫌ですね。さらにさらに、3万円以上の買い物は身分証の提示を求められる場合があります(同じビックカメラでも求められる場合、求められない場合両方ありました)。

支払完了画面

はっきりいって「面倒くさい」のひと言です。店頭で対面取引をしているのに決済だけは銀行振り込みをしているような回りくどさがあります。20%還元という特典がなければわざわざ使う理由が見つかりません。0.5~1%程度の差なら還元率が低くてもクレカやIC決済でいいや、って感じです。またもしシニアである両親に聞かれても「やめておいた方がいい」と答えるでしょう。1)と2)で二通りの操作手順を使い分けられる気がしません。そもそも電子マネー全体でプラットフォームが乱立しすぎていて、店ごとになにが利用可能か確かめたり、店員にどのプラットフォームで支払いたいか伝える名前を覚えさせるのも一苦労でしょう。
現状では、あくまで非接触ICカードに対応していないスマホを使っている人、クレジットカードをもてない未成年、そして海外からの旅行者などでないと、支払う側として使用するメリットは感じられません。店舗側としては初期投資がほとんどかからず三年間は手数料も無償のため、今まで現金決済のみだった小規模店などが加盟するケースは一時的には増えるかも知れませんが、三年後NFC非対応スマホはさらに減っているでしょうし、店舗側にも手数料無料のメリットが消えた時、果たして生き残るだけの魅力が残っているのでしょうか。

824. 買った時だけ伝えます ~Google Pixel3のFelicaアンテナ位置表示


GoogleのAndroidスマホ、Pixel3XLを購入しました。Pixelシリーズ初のおサイフケータイ対応モデルです。当然どこかにFelicaチップ/アンテナがあり、店頭でかざす時にはその位置を意識する必要があります。一般的な携帯電話/スマホではその位置にFelicaのロゴが入っていてわかるようになっているのですが、本機にはそれがどこにもありません。実は背面の指紋センサーの円形のくぼみ部分がFelicaアンテナも兼ねていました。そしてそれは開梱時にはがしたフィルムの側に印刷されていたのです。

Googleは以前にもNexus7でこの手法をとっており、当日記でも紹介したことがあります。この時は電源や音量ボタンは一度憶えてしまえばそう忘れることもないので、最初に一度伝えればOKなのではないかなと思ってマル日記にしました。しかし今回は、

  • おサイフケータイ機能をすぐには使わない人がいるかも知れず、後で使おうとした時にわからなくなるかも
  • 本体色がホワイトでも印刷は白のままであまり目立たず気付かない人もいるかも知れない

という観点でバツ日記にしてみます。実際には私は開封時点できちんと気付けたので言いがかりに近いのかも知れませんが。せめてもう少し目立つように文字を入れるとか黒縁をつけるとかしてあると発見率が上がるのかなと思いました。

GoogleはGoogle Home mini(スマートスピーカー)で音量操作など気付きにくいハード操作をGUI上でリマインドするという手法も採っているので、今回も例えばおサイフケータイやGoogle Payアプリを使った時に、「ここをタッチしてね」というグラフィック入りのガイドが出るかと期待したのですが今のところ遭遇していません。さすがにそれらのアプリは本機専用に作られたものではないので難しいのかも知れません。

821. 更に大画面になったiPhoneに欠かせない簡易アクセス


iPhoneは毎年買い換えるマンの古田です。

今年はフラッグシップシリーズであるXの大画面モデルXS Maxが登場したので、1年ぶりにラージサイズモデルに返り咲きました。本モデルではディスプレイのベゼル(外枠)が狭くてなり、外径寸法はPlusシリーズとほぼ同じながら画面サイズが上下に伸びる形となっています。

iPhone 7 PlusとXS Maxのサイズ比較

ディスプレイとして表示面積が増えることは動画やゲームなどの映像表現やブラウザなどでの情報効率が向上するメリットがある一方、タッチデバイスとしては困った事も出てきます。片手持ちして親指で操作するような場合に、指が届きづらい場所が増える、という点です。

Appleでは当然それを見越してPlusシリーズの頃からアクセシビリティ機能のひとつとして簡易アクセスというものを盛り込んであります。Xシリーズでは、画面の下部1cmくらいの範囲で短く下にフリックすると、画面全体が下にスライドして持ち替えなくても画面上部のボタンなどに指が届きやすくなります。

ホームボタンがあったPlusシリーズではホームボタンに2回タッチ(押し込まない)で起動できました。正直Plusのサイズだとまだなんとかなっていたので、むしろ意図しない場面でこれが発動してイラっとすることの方が多かった気がします。しかし、画面の上下幅がさらに広がったXS Maxではもはやこれを活用しないとどうにもなりません。起動方法としても誤爆は起きにくくなった気がします。これで全てが解決という感じではありませんが、活用してきたいと思います。Apple伝統の知らなければ気付きづらい機能なのでご紹介。

ちなみに同様に大画面化、狭額縁化が進むAndroidの世界ではどうなっているかというと、知る限りではGoogle標準の機能はなかったように思います。ただしメーカー独自に対応している例がいくつかあります。以下の記事にSAMSUNGやHUAWEIの事例が紹介されています。

大画面スマホで便利な片手操作モード比較。[いろんなこと。]

以前使っていたSHARPの端末にも同じような機能が搭載されていました。Android勢はスライドではなくサイズ圧縮で寄せるアプローチが多いようですね。左右も縮んで近づいてくれる点と、隠れるボタンがないので縮小したまま全ての操作が継続できる点ではAndroid勢の方が優れているような気もします。

820. Appleが失ってしまったものを持ち続けるDELL 〜XPS 15 9575の充電コネクタ〜


ここ何年かは主力ノートPCはAppleのMacBookシリーズでした。Air/Pro/無印と数台は使用してきましたが、最近のモデル(USB Type-Cコネクタで充電を行う年式)でちょと不便に感じている点があります。それは写真のように充電ケーブルのコネクタ部分にLEDライトがなくなってしまった点。2枚目の写真はもう少し前、MagSafeという磁力式のコネクタだった頃のものです。こちらは充電中はオレンジ、充電が完了すると点灯、コネクタまたはコンセント側が外れていると消灯です。つまりここを見るだけで色々な情報を得ることができていました。充電コネクタ挿して充電してたつもりがコンセントが抜けてたり省エネタップでスイッチが切れてた、なんてミスにも気付きやすくなります。

ところがこの2016年モデル以降ではそれがなくなってしまいました。理由としてはこのケーブルが単なる充電ケーブルではなくUSB Type-Cという汎用のケーブルだからということもあるのでしょう。だからといってデザイン(コスト?)重視のAppleは本体側に充電ランプを復活させるといった気配りも見せず終いです。つまり今のMacBookシリーズには本体にもコネクタにも充電器にもLEDは一切なく、電源が入らない時に本体故障なのかACアダプタ故障なのかケーブル断線かがまったく判断できないことになります。

MacBook Pro 2016年モデルの充電コネクタ

MacBook Pro 2014年モデルの充電コネクタ

そして先日久しぶりにWindowsが快適に使えるノートPCが必要になって購入したのがDELL XPS 15 2-in-1 9575 (2018年モデル)です。2016年以降のMacBookやMacBook Proと同じくUSB Type-Cコネクタで充電しますが、付属の充電ケーブルには白色のLEDがついていました!充電中かどうかでステータスは変わらず、純粋にコンセントからの通電があると白く点灯します。コネクタが本体に刺さってなくても点灯しています。コンセントからの通電があるかどうかのフィードバックに徹しているわけですね。それでもないよりあった方がずっと助かります。ここまでは電気が来ているぞ、ということがわかるわけですから。

DELL XPS 9575の充電コネクタ

しかもこの機種はバッテリー残量を5段階で示すLEDセットや充電中かどうかを示すLEDが本体側にも備わっています。これらは正常に動作してOSが起動している時には画面で確認すれば済むことですが、それ自体が不可能な非常時にはとても重要な診断手段となります。

DELLは企業一括導入やコストパフォーマンスを優先した低価格なイメージですがこういう細かい配慮でコストカットをしない点は評価できると思います。このXPSシリーズは比較的上位グレードのモデルですが、今後バリューモデルがUSB Type-C充電方式に変わっていく時にどうなっているかで真価がわかるのかも知れません。

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